短髪にちらりとのぞくピアス穴、過去を覗いたようでそわつく
口のなか傷つけ溶けた金平糖かわいい見た目とげがあったね
灰の中面影さがし見つからず貴方の声を忘れゆくぼく
冷えきった氷が音を鳴らすたび急かされているはやく返事を
はらはらと猫の喧嘩を見守って、どちらも逃げてここに僕だけ
滲んでは垂れ落ちる汗を乾かすようふっと吹く風、救世主
鉢植えに咲いた小さなひまわりの太陽探し茎はねじれて
過去の傷疼いた夜はいき潜め気付かれぬようただ眠るだけ
湯気の香りにくつろいだあと2分今日のお昼はカップラーメン
さみしさに毛布を噛んだ午前2時あなたは寝てる?息をしている
甘ったるい埃を吸いこんでいる怠惰にフローリングのうえで
秘密ねと言ってしまって共犯者今日も脅えるあなたの声に
大嫌い、嫌い嫌いも両想い形違えば祝福なのに
古傷をナイフで刺して吐き戻す無駄な反芻変わらない過去
砂粒が素足に触れて波がさらってゆくから元通りだね
ゴミの日に捨てる気だった気持ちごとできなかったね中途半端ね
繋いだ手忘れないでねこの温度いつもどこでも覚えていてね
ごめんねとか細い声が謝った許さないからずっと一緒ね
わたしがね焼却処分できるなら君の棺桶にいれてほしい